なんて書いたが(仮)。
最近、田中角栄の日本列島改造論を購入して読んだ。絶版だったので高くついた(Amazonで3000円ほどで購入)が、とても良い本であった。
内容であるが、
- 「東京・大阪と都市、都市と都市を高速鉄道・高速道路網で結び、日本を一つの都市圏にする(高速道路はともかく、高速鉄道に関しては東京~都市のみが多く整備され、日本全土が「東京都市圏」になってしまいそうなことは皮肉であろう)」
ということは予備知識として知っていたが、彼の内容にはほかにも、
- 「輸送量が倍増することに備え、道路だけでなく鉄道貨物・内航海運も活用すべきだ、高速鉄道の空いたスジで貨物を走らせろ(現実には国鉄末期のgdgdぶりで鉄道貨物が衰退し、船舶もそれほど伸びずトラック一辺倒になってしまった。しかし、人員不足が進みモーダルシフトが行き届けば改善されるのではないか?)」
- 「東京・大阪に工場を置かず、水資源の豊富な日本海側にこそ工場を置くべきだ(これが往々にして我田引水(鉄・道)と呼ばれてしまったのは悲しい結果であろう)」
- 「一軒家の密集する都市部を再開発し、集合住宅と大規模な公園を設置すべきだ(またこれもタワーマンション密集地帯が大増殖し、緑地も言うほど増えなかったのも皮肉な末路である)」
- 「儲かる農業を行うべきだ(これに関してはまあまあ的を得ているといえるのだろうか)」
- 「建設こそ福祉(旧民主党政権は『コンクリートから人へ』を掲げていたが、その歪みは2010年代後半の災害ラッシュで大きく表れた。この民主党政権における主流派は、田中角栄の系譜を汲む経世会派(自民党にももちろん多く残留しているが)が多くを占めていたのだが)」
などと、構想としては素晴らしいものであることが読み取れた。絶版であるため入手困難、また図書館にも置いてある可能性は低いだろうが、一読を強くお勧めする。
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