ランキングコーナー第5弾。今回は「高校のない市町村ランキング」。特に2000年代以降、少子高齢化に伴い高校が統廃合され、町で唯一の高校ですら廃校になるケースも増えている。とはいえ、島嶼部や山間部においては例え人口1万人クラスの小規模な町でもそこがその地域の中心地である場合、高校が設置される可能性は非常に高い。また、逆に都市部のベッドタウンであれば受け皿になるので、逆に存在する可能性も高まる。
1位の志免町は国鉄勝田線が1985年に廃止された後も福岡のベッドタウンとして栄えているが、おそらく福岡市などに流出する生徒が多いのだろう、町内に高校が存在したことはない。
2位の蟹江町は2007年に蟹江高校が南隣の十四山村(現弥富市)にある海南高校と合併、海翔高校に改称したことで消滅。表向きには校舎の耐震診断などが挙げられているが、十四山村近辺の旧弥富町や飛島村なども無高校自治体であることから、海南高校側が選ばれることとなった。とはいえ入学レベルも蟹江高校のほうが高かったことや、人口が7分の1しかない十四山村に高校を奪われることもあって大きな反発もあった模様(なおその海翔高校も、2025年度に津島北高校に統合され消滅する。弥富市には私立高校があるため高校ゼロにはならない様子であるが)。
3位の大治町(おおはるちょう)も無鉄道自治体でこそあるが周りの駅から2kmほどであり、ベッドタウンとして栄えてきた町の一つである。
毛呂山高校が廃校することでおそらく最大の町かと予想された毛呂山町(人口35570人)は、私立の埼玉平成高校が存在していた。ほか、大阪府熊取町など、私立高校のみ存在する町は意外に多い。
なお、市で高校が存在しないのは歌志内市(人口3088人、2007年歌志内高校が閉校)、赤平市(人口9801人、2015年赤平高校が閉校)のみだったが、今後も増えると予想される。特に大阪府阪南市(2022年8月現在の人口:49769人)は、市内唯一の府立泉鳥取高校が廃校すると1位になる。
(人口データは脚注がない場合2020年5月現在です)
学校が統廃合されたから人口が減るとはよく言うが、因果関係が逆で、人口が減るから学校が統廃合されるケースが多い。また、統廃合される学校の多くは1970年代の人口増加とともに新設された高校が多く、人口が減少すればその役目を終えるケースが大半だ。総合学科・情報学科を新設したり、少人数クラスを作ったり、農村漁村の高校であれば山村留学生を呼び込んで生き残るケースもあるにはあるが、なんでもかんでも同じことをやれば生き残れるわけではない。そこら辺をしっかりと考えてもらいたいものである。
というわけで、ランキングコーナーです。
なお、ある程度勘をつけてデータを取っていますが、全市町村のデータを取っているわけではないため、もしかしたら抜けがあるかもしれません。差異がありましたらRedditまで。
市町村ランキング | ||||
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順位 | 都道府県 | 市町村名 | 人口 | 備考 |
1 | 福岡県 | 志免町 | 46,002 | |
2 | 愛知県 | 蟹江町 | 37,035 | 蟹江高校が2007年に廃校。 |
3 | 愛知県 | 大治町 | 32,394 | |
4 | 福岡県 | 篠栗町 | 30,968 | |
5 | 埼玉県 | 上里町 | 30,016 | |
6 | 愛知県 | 大口町 | 24,134 | 丹羽高校(扶桑町)のグラウンドが大口町に入る。 |
7 | 群馬県 | 吉岡町 | 22,154 | |
8 | 奈良県 | 上牧町 | 21,199 | 上牧高校が2005年に廃校。 |
9 | 埼玉県 | 川島町 | 19,570 | |
10 | 埼玉県 | 吉見町 | 18,330 | 吉見高校が2005年に廃校。 |
11 | 大阪府 | 豊能町 | 18,279 (2020.10) |
城山高校が2008年に廃校。 |