衆議院選挙区私案

衆議院議席は、戦後まもない頃の468議席（但し沖縄が米軍支配下だったため2議席少ない466議席）で始まり、その後1986年までは増加を続けて512議席となった。

しかし、1994年の小選挙区比例代表並立制導入で500議席に減少後は、480,475,465と減少し現在に至る。
もちろん、政治家にとって手っ取り早い「身を切る改革」が選挙区削減であることは否めないだろう。しかし、手っ取り早くとも、それは後々に大きな問題を抱えていることもまた事実である。
もっとも、722人（2013年以前の衆議院・参議院の定数）の国会議員を、仮に50人減らしたとしても7％である。
国会議員には1人1億円（政務活動費等含め）かかるとされる。50人減らしても50億円。オスプレイ一機どころか福祉にも回せる額でもない（国民1人あたり40円程度）。それならば歳出一律1割カット（但し安易な歳出削減も悪影響を及ぼす）や、政党交付金削減（毎年300億円。なお政党交付金を受け取らない日本共産党や、無所属を支持したとしてもそれはその他の政党で按分される）をしたほうがよっぽど役に立つ。

問題点

• 「議席減」による一票の格差是正のみを注視し、「議席増」による一票の格差改善には(2002年を除き)行っていない。
  • 1990年に比べて人口が大幅に増加した東京都・愛知県・福岡県は小選挙区導入以来、現在に至るまで小選挙区は増えておらず、また神奈川県は2002年に1議席増やし18議席としたものの、2008年に人口を抜いた大阪府の19議席よりも少ない。
  • 議席定数2の県は、1994年時点では鳥取県だけだったのが、2013年では7県となっている。また将来的には鳥取県の1議席化も検討されている。
  • なお、参議院では既に鳥取・島根、徳島・高知での「合区」も行われている。そもそも都道府県の再編も視野に入れなければならないのだが、それはまた別の時に。
    • そんな参議院で、議席増の動きが見られた点については（自民枠、公明枠との批判もあるにせよ）支持できる。
  • 安易な「議席減・歳出減」は、一種の「利権化」を招く一因でもある。（これは今に始まったことではないが）政治家には「三バン（地盤・看板・鞄）」が必要である。
    • 議員になれる「椅子」が少なければ、既に「地盤・看板」を持つ（さらにいえば鞄も地域の名士であればもちろん兼ね備えている）世襲議員、少なくとも「看板・鞄」は持っているタレント議員が増えるのも必然。
    • 対して一介のサラリーマンや一市民が議員になろうとも、「三バン」は当然ながら持っておらず、また活動に見合わない額の歳費（と高い供託金）では当然ながらかなり厳しいであろう。これは、国会に限らず全市町村への警鐘でもある。
• 本来であれば（比例区を含めた）一票の格差是正も図るべきであるのに、比例区の改善は行わないばかりか、比例区でさえも削減している。
• 小選挙区制に特有なゲリマンダー問題、市域分断問題。
  • 例として、2017年選挙における「東京都23特別区」内の選挙区は、江東区のみが1特別区1選挙区（東京都第15区）であり、ほか千代田区（東京1区）・中央区・文京区（東京2区）を除く19特別区で選挙区分断が起きている（リンク先：Wikipedia）。
    • これがまだ「旧市町村」「○○管区内」などであればまだいい。管区内で分割されているケースも少なくないのだから。
  • その市区出身者である人物がA区に出馬したにもかかわらず、その人の家の選挙区が隣のB区になったという例もある。

私案

• 2人区～6人区の中選挙区制を原則とする。
• 比例代表は廃止する。
• 一票の格差は、概ね2倍以内とする。
• 原則、都道府県・市区町村別で区分けする。北近畿選挙区とかやりたかったけどこればっかりは仕方ない。
  • 自治体内での区分けは原則行わない。但し、「地理的制約・都市圏の流動性により市内他地域への移動が著しく不便、もしくはそこまでいかずとも隣接自治体への移動が極めて楽な場合」や「人口があまりにも多く6人区以上になる場合」に限り、自治体内の分割を認める場合もある。
• 議席数は衆議院600議席とする。

議席数

議席草案

工事中

• 北海道
• 東北
• 関東
• 北陸
• 東海
• 近畿
• 中国
• 四国
• 九州

脚注

1. 小選挙区の議席数に、比例代表の議席数を小選挙区数で按分したものを合算したもの。

参考資料

• Wikipedia
• 衆議院議員選挙制度の変遷（イッシーのホームページ内）

「政治まとめ」ホームに戻る
「ちや14歳」ホームに戻る