人口ピラミッド

人口比率を考えるときによく出てくる人口ピラミッド。総じて、3つに分かれる。

  1. ピラミッド型
  2. 釣鐘(つりがね)型
  3. つぼ型

この辺はおそらくご存知だろう。(以下、画像はすべてイメージで、便宜上10歳単位にしてある。)


ピラミッド型。乳幼児~子供の死亡率が極めて高く、ちょうどピラミッドのような形になっている。


つりがね型。乳幼児や子供の死亡率が抑えられ、若者の層が高くなっている。この頃から「人口ボーナス」に突入する。


つぼ型。ちょうど40代あたりにピークが来る形になる。この頃に国は全盛期を迎える。
この3つが皆さんもご存知な人口ピラミッドであろう。


そして、まだ話題にはなっていないが、そのうち逆三角形型も話題になるだろう。とはいっても、男性より女性のほうが高齢者の死亡率が低いので、男性はまだ逆三角形にはなっていないが、女性は逆三角形に近づきつつある。
もっと進んでも、きれいな逆三角形にはならない。著しく右に寄った三角形のできあがり。

「まだ話題にはなっていない」とは言ったが、西丸震哉氏の「41歳寿命説」で、将来の人口ピラミッドとしてこの形が既に言及されていた覚えがある。

以上の4つが、典型的な推移の形と言えるだろう。

但し、世の中こううまく行くとは限らない。
生態系のなりゆきで、突如として極端に増えることもある。
生態ピラミッドも、ある日突然増殖したとしても、その生態系が滅びない限り(上位消費者が下位消費者のすべてを食い尽くすなど)は、なんやかんやで生態系が元に戻る作用がある。
(これは自然界のことだけではなく、人間界にも似たようなことが起きる。コンビニドラッグストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンド…その話は別でしよう。)

人口ピラミッドも、おそらく例外ではないはずだ。


一例を出してみよう。
この国では、長い戦争が終わり、一気に復員した人々によって、極端なベビーブームが起きてしまった。

このベビーブームを、古の通産省官僚による歴史小説を捩って「団塊の世代」と名付けてみよう。


やがてその「団塊の世代」は青春時代を迎える。
血気ある若者が大量に流入することによって、経済は大きく進展していく。

会社でも多くの企業で若者が大半を占め、ピラミッド状になっていた。


団塊の世代もいよいよ壮年期に入り、団塊2世と呼ばれる層も生まれた。
人口ピラミッドにやや歪みは見られるが、「どうせなんとかなる」と、誰もが信じて疑わなかった。


いよいよ団塊の世代がベテランとなった。団塊2世も入社しはじめ、この国の経済はピークを迎えていた。
団塊の世代が老人になったら、どうせ団塊2世・3世が何とかするんじゃないの?ピラミッド型にもなるし。


時は進み、団塊の世代もまた高齢化していく。団塊2世こそそれなりに多いが、団塊3世はそこまで大きくはないと推測される。
ここで被害を一番蒙るのは団塊2世で、出世の道を人数の多い団塊世代に阻まれ続けた挙句、労働期間の大半を親世代に捧げざるを得ない状態になっている。


そしてついにその時を迎える。
団塊の世代が60代に突入。団塊2世はいるものの長年の出世を阻まれ続けたために戦力となるのはさほど多くはなく、
団塊3世にあたる層は減少ペースが緩やかにはなっているもののベビーブームとはならなかったと呼んで差し支えないだろう。

上記は一つの(極端な)例である。
別にすごいデータを使ったわけではなく、中の人の独断と偏見と数値遊びでやったものである。

この後、団塊世代が消滅した後、団塊2世を頂点(底辺?)とする緩やかな逆三角形型となる。
そこでは確かに若年層の負担はあるが、上の時代に比べればマシな状態になっていると思われる。

その気になったら本気で研究してみたい。

おわり

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